貿易時、必ず押さえておきたい外国為替の仕組み
貿易の際に、絶対に知らなくてはいけない言葉の中に「外国為替」という言葉があります。貿易取引で重要な決済のときに必要となる言葉です。ここでは、その外国為替の基礎知識をご説明します。外国為替について理解していないと貿易を行う上で難しいかもしれませんので、ぜひしっかりと覚えてください。
一体何のこと? 外国為替とは?
外国為替には、立替と交換の2つの意味があります。立替とは貿易決済の仕組みで使われる言葉で、交換とは為替レートのことを指します。貿易取引の場合、本来は立替の意味で使われ、現金のやり取りを直接するのではなく、金融機関を通じて為替手形や小切手などの信用手段を利用して決済する方法のことです。もう一つの交換の為替レートの意味は、通貨によって価値が違う、通貨同士を交換するときに、交換比率が決められているのですが、この交換比率のことになります。
貿易に必要な最低限の知識!外国為替の基本
外国為替ではリスクがあります。円高・円安などの影響を特に大きく受けるのが貿易取引です。為替レートは日々変わっていて、1カ月、3カ月後など実際の貿易取引の決済のときにはどうなっているのかは、誰にもわかりません。貿易取引は、異国間の価値の違う通貨同士でのやり取りになるので、為替レートによって通貨の価値が上がったり下がったりしてしまい、決済のときに損失や利益が出るようになります。ドルで考えた場合、契約したときには、1ドル100円でも、3カ月後の決済のときには1ドル110円の円安になった場合には、1ドルあたり10円の損失が出ます。貿易の取引の場合には、取引の金額も膨大ですので、場合によっては会社の存続に関わるような大きな損失になってしまう場合もあるのです。
知らなきゃ損する! 外国為替にはリスクヘッジが必須となる
上記のような大きな損失を避けるために、リスクヘッジをします。リスクヘッジとはリスクを減らす、回避するという意味です。為替変動では損失だけでなく、利益が出る場合もありますが、その見込みで動くのは危険ですよね。取引をする際には、出るかどうか分からない利益にかけるよりも、リスクを最小限にするための対策が必要です。リスクヘッジが必要なのは、契約と決済の間に数カ月の間が空いている場合です。逆に、数日あいているくらいでは、大きな値動きはないでしょうから、リスクヘッジをせずともそれほど大きな損失を出すことがないでしょう。また、金額が少額の場合にも同様です。しかし、1カ月や3カ月、半年後の決済であったり、大きな金額の取引をしていたりするとなれば、話は別です。この場合にはリスクヘッジ対策をすることをおすすめします。
リスクヘッジには、
- 通貨売買の権利を前もって購入する
- 取引先の銀行からお金を借りる
の2つがあります。通貨売買の権利を前もって購入するとは、通貨購入を契約時のレートで購入予約をしておくことです。手数料などを支払わなくてはなりませんが、変動によって受ける損害よりは少ないのです。取引先の銀行からお金を借りることも同様に、お金を借りて自国の通貨に交換し、支払ってもらったら、銀行にお金を現地通貨で返すという方法です。相手のレートに合わせた形になっているので、レートの変動を気にする必要がありません。借金をするので、利息は必要になってきますが、変動で受ける損失に比べたら少なく、リスクを最小限にする方法です。
貿易をする上で外国為替が重要だと分かっていただけたのではないでしょうか。外国為替は奥が深く、知れば知るほど面白い世界です。上記の内容を基本的な知識として、頭に入れておくことで外国為替についての動きについても分かりやすくなります。ぜひ、外国為替の仕組み付いてもマスターしてみてください。