貿易/物流 お役立ちコラム
物流に関する基礎知識

波動と在庫回転率をチェックしてトータル物流コストを把握しよう!

波動と在庫回転率をチェックしてトータル物流コストを把握しよう!

トータル物流コストにおいて、人件費、配送費、保管費は、全体のおよそ80%強を占める三大コストで、トータル物流コスト最適化を行う場合は、この3つのコストの最適化に優先的に取り組むことが大切です。今回は、この3つのコストを最適化するポイントとして、まずはコスト全体を把握するための方法を詳しく解説していきます。

三大コストの構成比

原油価格や世界経済の影響を受けやすいトータル物流コストの最適化は、どの企業にとっても最重要課題のひとつです。では、実際に支払物流コストと社内物流コストを合わせたトータル物流コストを最適化するにはどのような取り組みが必要なのでしょうか。

まずしなければならないのは、「三大コストの構成比」を正確に把握することです。ここでいう三大コストというのは、人件費、配送費、保管費(加工費含む)のことで、先ほどもお伝えしましたがこの三大コストは、トータル物流コストのおよそ80%を占めています。

そのため、この3つのコストの構成比を一定の期間を空けながら継続的に見直し、どのコストをどのように改善していくかを考えていくこと必要になるわけです。

三大コストの変動を月単位でチェック

先ほども述べましたが、三大コストの構成比は、それがどう変動しているかも含めてチェックすることが大切です。一般的に物流においては、季節や曜日などによって物量にバラつきがあるものです。たとえば、ネットショッピングなどは週末に注文が多く入るため、その分の出荷は週明けに集中するでしょうし、アパレル業界では季節商品の入れ替え時期に物量が多くなります。

このように、曜日や週、月、季節などによって変動する物量の波のことを「波動」といいます。波動は季節ごとではなく、月ごとに細かくチェックしましょう。そして、トータル物流コストを最適化するためには波動に合わせて、三大コストを固定費ではなく変動費として考える必要があります。

つまり、物流の多い時期とそうでない時期とで投入するスタッフの人数(人件費)や、車両台数(配送費)、保管面積(保管費)などを適正規模に見直すことが大切です。波動があるのに三大コストを固定費と考えていたら、どうしても余分なコストが発生してしまいます。

在庫の回転率をチェックする

「在庫回転率」をチェックすることも重要です。「在庫回転率」というのは、効率よく商品が販売されているかどうかを見る指標のことで、「在庫回転率=棚卸資産÷売上高」で算出することができます。一般的に在庫回転率の高さは、商品が入庫してから販売されるまでの期間の短さを表していて、回転率が高いほど、販売されるまでの期間が短く在庫管理がしっかりと行われているということです。

三大コストのひとつである「保管費」は、在庫が増えるとその分増加するコストですので、回転率を定期的にチェックすることで効率的な在庫管理が可能となります。

トータル物流コストを把握するために、三大コストの構成比、月ごとの波動、在庫回転率をチェックするようにしましょう。