貿易/物流 お役立ちコラム
物流に関する基礎知識

物流力が問われる温度管理の基礎知識

物流力が問われる温度管理の基礎知識

物流の仕事のひとつに温度管理があります。食品など温度管理をしっかりとしていないとダメになってしまう商品があるからです。今回は、物流における温度管理について解説します。

物流における温度管理とは

消費者の品質に対する要求は高くなっており、物流において温度管理の重要性は上がっています。そういった状況を考えると、物流において温度管理はもっとも高度な技術が求められる工程といっても過言ではないでしょう。

日常生活における温度管理は常温(またはドライ)、冷蔵、冷凍という3つの温度帯で行われますが、物流における温度管理は、常温、中温、冷蔵、チルド、冷凍の5つの温帯で行われます。以下、各温帯について説明していきます。

常温

常温とは、温度管理を必要としない商品、またはその管理方法のことを指します。

中温

中温とは15~18度で管理しなくてはならない商品(野菜やパンなど)、またはその管理方法のことを指します。

冷蔵

冷蔵とは10度以下で管理しなくてはならない商品(牛乳や豆腐など)、またはその管理方法のことを指します。

チルド

チルドとは0~5度で管理しなくてはならない商品(肉や魚など)、またはその管理方法のことを指します。

冷凍

冷凍とはマイナス18度以下で管理しなくてはならない商品(冷凍品やアイスなど)、またはその管理方法のことを指します。

管理が難しい肉と野菜

物流において、もっともデリケートな温度管理が求められるのが肉(チルドで管理)と野菜(中温で管理)です。定められた温度で管理しなかったり、外気にさらしてしまったりするとすぐに劣化してしまうからです。

肉や野菜を定められた温度で管理し、外気から守るために、ドッグシェルター(トラックの荷台と工場の搬入口をつなぐ装置。外気の侵入を防ぐことができる)、エアカーテン(倉庫内の冷気を逃がさないための装置)など、さまざまな装置が用いられています。

食品のほかにも温度管理が必要なものはある

温度管理が必要なのは、食品だけではありません。精密機械も温度管理が必要です。温度の変化で故障してしまうことがあるからです。医薬品なども同様です。物流部門では、こうした特殊な商品の品質を保つためのシステム構築・改善にも努めなければなりません。

温度管理の技術は進化している

最近は商品の箱にタグを取り付けることで、温度、湿度、衝撃などのデータをとり、温度管理をする技術も登場しています。このタグは、盗難が起こったときに、その原因を特定するための役割も果たしています。このように日々温度管理に関する技術は進化しています。

物流において温度管理は必要不可欠なものです。そして、消費者の品質に関する要求は今後も高くなっていくことが予想されます。なので、最新の温度管理の技術を取り入れ、安定した管理ができるように努めることがこれからも物流部門、または物流業者には求められるでしょう。