覚えておきたい船荷証券の種類について
船荷証券は、貿易取引をする上で重要書類のひとつです。輸入者が貨物を引き取るために必要な書類であり、取引の最後に必要になる書類となります。そして船荷証券は、「船荷証券」とひとまとめにしていますが、いくつかの種類に分類することができ、さらにそれぞれの分類ごとにも種類があります。ここでは、船荷証券の種類の例について説明いたします。
まずは基本! 船荷証券とは
船荷証券が重要な書類だとは分かっていても、その詳細な内容について知っていますか? まず、船荷証券自体がどのようなものなのかを知っておくために説明します。
船荷証券とは、「輸出者によっては代金回収のため、輸入者にとっては商品を受け取るため」に必要な書類です。どの船荷証券にもこの概念は共通しています。これは基本中の基本ですので、しっかりと覚えておくようにしましょう。
どれだけあるの? 船荷証券の種類
では、次に船荷証券の種類についてです。船荷証券は主に大きく3分類に分けることができ、さらに細かく分けると6つの種類になります。これは発行のされ方に違いがあります。それぞれ使い分けができるように、また迷わないように船荷証券の種類について理解しておきましょう。
船荷証券の種類について①:商品の積込み時期によって分ける
商品の積込み時期によって、船荷証券を分けることができます。
船積船荷証券
商品が、船荷証券に書かれている船に積み込まれた後で発行されるもので、表面右上に船積みされたことが記載され、在来船の利用時に使用されます。
受取船荷証券
商品が船に積み込まれる前に、船会社が受け取った段階でその旨の記載があり、コンテナ船の場合に使用される船荷証券です。
船荷証券の種類について②:受取人の特定によって分ける
受取人を特定するかどうかで分かれる船似証券の種類です。
指図式船荷証券
受取人が指定されていないまま発行される船荷証券です。商品の所有者を変更できるため、担保にすることができます。
記名式船荷証券
受取人が最初から指定されている船荷証券です。指定されている人以外では意味をなしませんので、信用状決済時の取引には使えません。
船荷証券の種類について③:受取時の商品への問題の有無によって分ける
商品の傷や破損があるか無いかによって分けられる船荷証券です。
無故障船荷証券
船会社が商品を受け取る際に、商品に何も問題が無い状態のときに発行する船荷証券です。
故障付き船荷証券
商品に破損や異常、または不足がある場合に発行される船荷証券になります。この場合、訂正してもらわなくては銀行で買取することはできません。そのため、「訂正することによる責任は輸出者が取る」という補償状を船会社に差し出すことになります。
貿易取引では多くの人々が関わり、通常の国内産で流通している商品よりも長い期間をかけて、いろいろな脅威にさらされながら運ばれることになりますので、破損や異常が起きてしまうことは、実際には思っている以上にあります。ですから、この故障付き船荷証券も実際の現場ではよく使われています。
船荷証券の主なものは、分け方によって3分類または6種類に分けられます。船荷証券の発行の際には迷ってしまうことがあるかもしれませんが、その際にはぜひ上記の内容を参考にしてみてください。