いよいよ通関! 輸出通関の全体像と流れについて
貿易取引の輸出側において、商品が手元を離れる最後の手続きが、通関になります。この通関の手続きが問題なく終わることで、商品は国を離れ輸入者へと運ばれます。そんな通関の手続きは、どのように行うのでしょうか。今回は、輸出通関の流れの概要と書類について説明していきます。
準備が必要! 通関手続きに必要な船積依頼書
通関手続きには準備が必要です。口頭で依頼したり、ただ訪問したりすればやってもらえるわけではなく、整えなければならない書類があります。その書類のひとつは船積依頼書です。船積依頼書は別名、船積指示書とも呼ばれます。
船積みの手続きは、この書類を元にして行われますので、正確に記載することが求められます。書式など分からないことがあるときには、通関業者に問い合わせて詳しく聞くようにしましょう。
まだある! 輸出通関に必要な書類とは
輸出通関には、船積依頼書のほかにも必要な書類があります。その書類は、以下のようになっています。
- インボイス
- パッキングリスト
- 輸出申告書
これらの書類を通関業者に渡して、税関に申告する手続きをしてもらいます。
全体を把握して理解する! 輸出通関の流れ
契約を結び貿易取引が始まった段階から、輸出通関への準備は進んでいます。輸出通関の主な流れは、以下のようになります。
- 1.通関に必要な書類を作成、準備し通関業者に渡します。
- 2.通関業者は商品を保税地域(一定期間、関税が徴収されない地域)に運びます。
- 3.依頼された公認検定機関が検量して、運送費などが決まります。
- 4.通関業者が書類を税関に提出し、輸出申告をします。
- 5.税関は書類と現品の相違などを確認し、必要があれば検査を行います。
- 6.検査が全て完了すれば、輸出許可書が発行されます。
税関の検査が行われる目的と検査について
税関で検査を行う目的としては、主に以下の通りになります。
- 貿易取引を公正に行い秩序を保つ
- 法に違反しているものが無いか
- 銃や薬などの社会悪を他国に流出させるようなことが無いか
- 契約書、申告内容と商品は一致しているか
検査の種類には、以下のようなものがあります。
- 検査場検査
- 本船検査
- 艀中検査
- 現場検査
- 出張検査
検査方法に種類があるのは、商品の種類によって分かれるからです。例えば、セメントなどは船に積んだまま行われる本船検査でチェックされます。
どうやって検査する? 大型X線検査
大型X線検査は、コンテナから出す必要が無いので、現在の検査において主流になっています。コンテナごとに検査をしますが、税関の検査場までコンテナを運び一定時間X線によって検査を行います。
ここで問題があると、もっと細かく検査するためにコンテナを開けて検査することになり、開披(かいひ)して商品自体の検査を行わなくてはなりません。この大型X線検査のメリットは、コンテナから出す必要がないので、時間も手間も短縮することができる点です。
今回は、輸出通関の流れについて説明してきました。輸出通関で許可書をもらうためには書類の準備の後に、税関の検査が必要になります。輸出通関について知りたいと感じたら、上記の内容をぜひ参考にしてください。